大証や東証が海外ETFを上場しましたが、
海外ETFの上場は今後も増え続ける傾向にあるのでは、
といわれています。
このことによって、個人が資産を投資・運用するにあたって、
海外ETFが低コストで売買できることから、
個人投資家の投資先として今後一層注目されるのでということです。
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ETF(上場投資信託)への投資が個人投資家の新たな選択肢に加わり始めた。「ETF」とは、株式の個別銘柄と同じように、取引所で売買される投信の事だ。東京証券取引所は11月19日、韓国の株価指数に連動するETFを上場する。東証では初の本格的な海外ETFの上場となる。大阪証券取引所は先行して上海の株価指数に連動する上海株式指数・上証50連動型ETFの取り扱いを始めている。東証、大証は今後も海外のETFを上場する可能性が高いとみられ、一気にETF市場が広がる可能性が出てきた。
東証が上場するのは韓国証券先物取引所の「KODEX200」。韓国株式市場の代表的株価指数である「KOSPI200」に連動するETFだ。サムスン電子やポスコ、現代重工業など韓国を代表する有力上場企業200銘柄で構成するKODEX200は韓国で2002年10月に上場した。東証にKODEX200が上場されれば、これまではウォン建てでしか取引できない同ETFが円建てで取引できるようになる。
海外で実際に取引されているETFが国内で上場されるのは、KODEX200が初めてのケースとなる。大証は中国A株指数ETFを上場しているものの、海外市場に上場されていないので、現物株式との交換はできない仕組みだった。今回、東証が上場するKODEX200は現物との交換ができる点で大証のETFとは異なる。ETFと指数が乖離(かいり)した場合、裁定取引がしやすくなる利点がある。
海外ETFが国内の証券市場に上場されれば、日本の個人投資家が海外ETFを円建てで日本時間の昼間に取引できるようになる。上海、韓国の場合は時差はあまり問題になりにくいが、今後は欧米ETFの上場も視野に入ってきそうだ。
ETFは投信の一種だ。ただ、金融機関の店頭で購入する通常の公募型投信と異なり、個別株と同じように取引所を通じてそのときどきの価格で売買できる。その売り買いの敷居の低さは株式に近い。指数連動型の場合は、そのETFを買えば、指数に組み込まれた全銘柄を買うのと同じ分散効果が得られる設計で、株と投信の「いいとこ取り」を狙った商品とも言えるだろう。
近年は海外市場に上場するFTEを扱う証券会社が増えている。米国やユーロ圏、さらに中国、インド、ブラジル、南アフリカといった新興各国の株価指数に連動するETFが主流だ。
個人投資家にとってETFのメリットの1つは信託報酬の安さにある。投資家が保有残高に応じて負担する信託報酬は概ね年0.1~0.7%程度で、一般的な投信の平均1%強に比べて低い。
日本の証取がETFの品ぞろえ拡充に動いたのは、9月末に全面施行された金融商品取引法のおかげでもある。以前は対象が国内の株価指数連動型のようなタイプに限られていたが、同法全面施行で制限がなくなった。
まだ日本では10本程度しかETFが上場されていない。しかも国内の株価指数連動型がほとんどだ。しかし、海外では貴金属や原油などの商品価格に連動するETFが珍しくない。米国は約400本、欧州では約300本が上場されていて、日本の出遅れが際立っている。
大証は10月23日、上海株式指数・上証50連動型ETFを上場した。その2日後の同25日には、証券会社の自己売買による買い付けを一時禁止すると発表した(同31日に解除)。将来の値上がり期待で買い注文が集まり、価格が上昇した結果、実際の資産価値との乖離が広がったのを受けた措置だったようだ。中国株ETFへの関心の高さをうかがわせる出来事と言える。
上場初日から中国株ETFは活発な商いとなった。午前9時の取引開始直後から買い注文が殺到し、売買が成立したのは10時10分になってからだった。初値は7万500円で、終値は7万7700円と、初値を7200円上回った。売買の主役になったのは、大半が個人投資家とみられている。
大証に今回上場したETFは上海証券取引所の「A株市場」の主要50銘柄の株価指数「上証50指数」に連動している。A株は中国国内で広く売買されているものの、外国人は原則として売買に参加できない。しかし、ETFの形を借りれば、日本の個人投資家もA株への投資が実質的に可能になる。
このETFは、金融機関が発行する、上証の株価指数に連動する債券(リンク債)を組み込んだ投信だ。結果的にA株を売買するのと同様の投資効果を得られる設計だが、株式そのものを裏付けにはしていない。だから、株式と交換することはできない。
もっとも、これまでだって、A株ETFが国内で買えなかったわけではない。一部の証券会社は、香港証券取引所に上場しているA株ETFを取り扱ってきたし、A株投資を組み込んだ投資信託もある。
ただ、国内証券取引所に上場した海外ETFは、国内株と同じように取引できるので、信用取引や成り行き・指し値注文などが可能になり、売り買いのしやすさは高まる。扱う証券会社の数も増えるので、かねてから取引のある証券会社で注文しやすくなるのもありがたいところだ。
しかも、国内証券取引所に上場していない海外ETFを買うには、投資家は証券会社に外国株口座を開く必要がある。現地通貨や米ドル建ての商品が多く、為替リスクが伴う。国内上場済みであれば国内時間で円建てで取引できるようになるというメリットがある。
大証は中国株ETFで東証を先んじた。この先も為替や金利、原油価格など、様々な指標に応じたETFを上場していく方針とみられる。東証もKODEX200に続く上場を探るとみられ、今後もETF上場が増えそうな気配だ。
(日本経済新聞 - 2007年11月13日)
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